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横浜地方裁判所 昭和56年(わ)1122号 判決 1982年5月25日

事件名

法人税法違反

宣告日

昭和五七年五月二五日

裁判所

横浜地方裁判所第四刑事部六係

裁判官

蜂谷尚久

検察官

小黒和明

被告人

A

法人名 有限会社朗永商事

本店所在地

川崎市川崎区堀之内町六番地一

代表者

代表取締役 泉水愛子

右住居

横浜市鶴見区馬場一丁目三二番二〇号

B

法人名 有限会社有信商事

本店所在地

川崎市川崎区堀之内町一三番地一

代表者

代表取締役 堀清祐

右住居

川崎市高津区二丁目六四七番地

C

氏名 泉水秀雄

年令

大正一五年三月一〇日生

職業

会社役員

住居

横浜市鶴見区馬場一丁目三三番二〇号

本籍

川崎市川崎区堀之内町一三番地一

D

法人名 有限会社港宝商事

本店所在地

香川県高松市城東町二丁目九番一三号

代表者

代表取締役 新島こと 泉水美智代

右住居

香川県高松市藤塚町一二番一三号八十川ビル二〇一号

主文

被告人有限会社朗永商事を罰金一、八〇〇万円に、同有限会社有信商事を罰金四〇〇万円に、同有限会社港宝商事を罰金一、〇〇〇万円に、同泉水秀雄を懲役一年六月に各処する。

被告人泉水秀雄に対し、この裁判確定の日から三年間、右懲役刑の執行を猶予する。

事実

A  被告会社有限会社朗永商事は、川崎市川崎区堀之内町六番地一に本店を置き、トルコ風呂の経営を目的とする有限会社、被告会社有限会社有信商事は、川崎市川崎区堀之内町一三番地一に本店を置き、トルコ風呂の経営を目的とする有限会社、被告人泉水秀雄は、被告会社有限会社朗永商事・同有限会社有信商事の実質的経営者として右被告会社二社の業務全般を統括していたものであるが、被告人泉水秀雄は

第一  被告会社有限会社朗永商事の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの方法により所得を秘匿したうえ

一  昭和五二年一〇月一日から昭和五三年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二〇、三七五、〇五六円であったにもかかわらず、法人税の申告期限である昭和五四年五月三一日までに川崎市川崎区榎町三番一八号所在の所轄川崎南税務署長に対し、法人税確定申告書を提出しないで右期限を徒過し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における実際の所得金額に対する正規の法人税額七、三一〇、〇〇〇円を免れ

二  昭和五三年一〇月一日から昭和五四年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が七九、四七五、四六二円であったにもかかわらず、昭和五四年一一月三〇日前記川崎南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が零円で、納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額三〇、九五〇、〇〇〇円を免れ

三  昭和五四年一〇月一日から昭和五五年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六八、七九八、一六八円であったにもかかわらず、昭和五五年一一月二九日前記川崎南税務署において、同税務署長に対し、その所役金額が零円で、納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二六、六七九、二〇〇円を免れ

第二  被告会社有限会社有信商事の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの方法により所得を秘匿したうえ、昭和五五年三月二四日から同年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三六、七二二、四〇八円であったにもかかわらず、同年一二月三〇日前記川崎南税務署において、同税務署長に対し、欠損金額が九〇七、〇三三円で、納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額一四、一二八、八〇〇円を免れ

たものである。

B  被告会社有限会社港宝商事は、香川県高松市城東町二丁目九番一三号に本店を置き、個室付浴場業を営むもの、被告人泉水秀雄は、右被告会社の実質経営者としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人泉水秀雄は、右被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外し、架空の人件費を計上するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五二年一一月一日から同五三年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二、一三三万二、六八九円で、これに対する法人税額が七六九万二、八〇〇円であったのにかかわらず、同五四年一月四日高松市楠上町二丁目一番四一号所在高松税務署において、同税務署長に対し、同事業年度における欠損金額が二四〇万二、一一九円で納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額七六九万二、八〇〇円を免れ

第二  昭和五三年一一月一日から同五四年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三、一五一万一、八一一円で、これに対する法人税額が一、一七六万四、四〇〇円であったのにかかわらず、同五五年一月四日前記高松税務署において、同税務署長に対し、同事業年度における欠損金額が七、五九二円で納付すべき法人税額がない旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一、一七六万四、四〇〇円を免れ

第三  昭和五四年一一月一日から同五五年一〇月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三、四一一万七、三五七円で、これに対する法人税額が一、二八〇万六、八〇〇円であったのにかかららず、同五六年一月五日前記高松税務署において同税務署長に対し、同事業年度における欠損金額が二一六万九、四四八円で納付すべき法人税額がない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額一、二八〇万六、八〇〇円を免れ

たものである。

適条

(判示所為)

いずれも昭和五六年法律第五四号による改正前の法人税法第一五九条、第一六四条一項

(併合罪加重)

被告人有限会社朗永商事、同港宝商事につき刑法四五条前段、四八条一項

被告人泉水秀雄につき同法四五条前段、四七条本文、一〇条

(執行猶予)

被告人泉水秀雄につき同法二五条一項

裁判所書記官 川崎雅広

(裁判官 蜂谷尚久)

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